鼻の病気の代表の副鼻腔炎は俗に「ちくのう症=蓄膿症」といわれていますが、その字が示すように膿汁が蓄積(たまる)病気です。では何処にたまると思いますか? 鼻の中(鼻腔)でしょうか? いいえ違います。鼻腔なら鼻をかめば単純に出せますね。
自分の顔を触ってごらんなさい。両眼のくぼみの下・・・頬の部分の中にはくるみ大の空洞が占めており、これを上顎洞(腔)と称します。健康なら空気が入っていて鼻腔に連絡しています。その他にも額(ひたい)、鼻の奥に小腔があり、鼻腔に対して副鼻腔(洞)群と呼ばれています。蓄膿症はこの腔(洞)に膿汁がたまる病気です。
健康なら・・・いや健康でなくとも・・・鼻の中へしみ出てくる鼻汁は透明な水様のものです。涙も同様で透明ですが、ぬぐうことなく放っておけば白いめやに→さらに時間がたてば黄色い汚いめやにになります。涙が細菌感染で腐ったのです。透明な鼻水も時間がたつにつれ、白い粘り気のなる鼻汁へ、更に汚い黄色い鼻汁(膿汁)に変化します。即ちきれいな鼻水も涙も時間がたてば膿汁になります。では何処で何時間も「道草」をしているかと申しますと、鼻づまり、鼻汁の増多により鼻腔から副鼻腔へ流入した鼻汁が体温にも温められ、細菌感染を起こして汚い鼻汁に変化するのです。新鮮な鼻汁→副鼻腔→滞溜→腐るとなるわけです。以上から副鼻腔炎は、鼻炎が先行し鼻つまりなどの条件がそろうと容易に発症してきます。まず、急性副鼻腔炎、更に治療・放置の遅延で慢性副鼻腔炎に変化して行きます。
主な症状は鼻つまり、汚い鼻汁と、のどに流下する汚いタン(後鼻漏)です。更に頭痛、肩こり、耳鳴り、頸部痛、眼痛、歯痛も加わります。上顎洞の炎症ですから、むし歯の突き抜け、悪性腫瘍なども一因となります。
20年程前はかなりの例が手術へという流れでしたが、近年は薬剤治療が主となり、手術はめったに致しません。また、手術方法も変わり、内視鏡的に行われることが多く、手術侵襲も少なくなり入院期間も著しく短くなりました。
原因不明の頭重・首こり・めまい・耳鳴り・のどにタンが下る、などでお困りの節は耳鼻科もちょっと思い出して受診して下さい。小さいレントゲン一枚で判ることですから・・・。
よくある質問
- 副鼻腔炎の話
診療科目
耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科
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