難聴・耳鳴・めまいなどの訴えで沢山の方が受診されますが、真っ先に受ける基本検査が純音聴力検査(気導検査・骨導検査)です。
● 気導検査
現在のありのままの聴こえ方を調べます。両耳にヘッドホンを当て、ボタンを握ってやるあれです。低い音ブーから高い音ピーまでそれぞれの音階でどの程度聴こえるか、
またどの程度の強さ(大きさ)から聴こえるのか調べます。一般に加齢により高い音から聴こえにくくなる傾向があります。
● 骨導検査
気導の検査と同時に耳たぶの後ろの骨の上に小さい骨導受信器を押し付けるように装着して骨に音を響かせて・・・即ち鼓膜を経ず、中耳腔、耳小骨を通らないで直接内耳(蝸牛・かたつむり)
周辺まで音を送り込み、聴神経(蝸牛)が健全かどうか調べます。骨導検査では、例えば鼓膜が破れて聴こえなくとも内耳が正常なら正しく反応します。内耳が無事で音を伝える部分のみの障害ですからね。
一方、加齢によるもの、薬物の副作用、腫瘍などの内耳の衰え・破壊によるものは骨導が低下し気導も当然それなりの低下を来たします。
まとめ
● 気導検査はとにかく現在どの程度聴こえているか?高音?低音?更にどの程度の大きさの音なら聴こえるのか調べる。
● 骨導検査は障害があるとすればそれは(A)音を伝える部分か、それとも(B)音を感じ取る部分・・・聴神経(蝸牛、内耳)にあるかを調べる。
(A)の病気を挙げてみると滲出性中耳炎、鼓膜穿孔・中耳破壊など・・・
(B)では加齢、突発性難聴、薬物副作用、職業性難聴、先天性難聴、腫瘍・・・
(A)を伝音性難聴、(B)は感音性難聴と称し、両者の混じったものを混合性難聴と呼びます。
以上から理解出来るように障害が前者(A)によるものならば改善の可能性大であり、後者(B)では対象が神経損傷であり難しいのです。この他にも聴力検査は目的別にいくつもありますが、次の機会に譲りましょう。
追伸:インフルエンザが爆発的(特にA型)に増えています。上石神井、下石神井ももうすぐ大波に呑み込まれそうです。当院ではまだワクチンが用意してあります。予防接種の受診をお勧めします。